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大人が観れば、怖い中にも感じる魅力が…。まんが日本昔ばなしの“耳なし芳一”

昔ばなしでありながら「怪談」として有名な “耳なし芳一”。
タイトルからして怖く、実際のストーリーでも衝撃的な場面が数々起こるお話ですが、大人な視点で冷静に、その怖い出来事がなぜ起こるのか辿ってみれば、このお話の背景にある魅力に気づけるかも。そのポイントをご紹介。

昔ばなしでありながら、もうタイトルからして怖い話の“耳なし芳一”。実際、ストーリーの中では「亡霊に耳を引きちぎられる」という衝撃的なシーンまで登場します。子どもながらに観てみれば、数々の怖い場面にばかり目を奪われがちなお話ですが、大人な視点で冷静に、その怖い出来事がなぜ起こるのかを辿ってみれば、主人公・耳なし芳一の人柄が魅力的であることに、気づけるはず。

“耳なし芳一”に降りかかる怖い出来事@
「琵琶を聴きたい」と亡霊に頼まれる、耳なし芳一

琵琶を弾く腕前が抜群の、耳なし芳一。「壇ノ浦の合戦」を弾き語れば、聴く誰もが涙するほどでした。そんな芳一の琵琶が魅力的すぎるあまり、怖いことに亡霊まで「芳一の琵琶を聴きたい」と言って来るのです。

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貧しい家に生まれ、生まれた時から目が見えなかった、耳なし芳一。阿弥陀寺に引き取られてからは、和尚さんに大切に育てられ、琵琶語りの稽古までさせてもらえました。それがきっかけで、芳一の、琵琶の才能は開花。師匠の腕前を凌ぐほどまでに成長します。「壇ノ浦の合戦」を弾き語らせれば、沈没する船、息絶える兵士の様子まで見事に表現。しかし、その優れた才能が、とても怖い事態を招いてしまいます。

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耳なし芳一のもとへ「琵琶を聴きたい」と依頼が舞い込むのですが、それはなんと、壇ノ浦の合戦で戦死した平家の亡霊たちから。芳一は目が見えませんから、亡霊たちに導かれているとは知らないまま、喜んで琵琶を披露しに出掛けてしまいます。そして、墓場の中で懸命に琵琶語りを披露するという、傍目から見ればとても怖い光景を繰り広げることに。芳一の琵琶があまりに素晴らしいからこそ、起こってしまった出来事でした。

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“耳なし芳一”に降りかかる怖い出来事A
魔除けとして全身にお経を書かれる、耳なし芳一

平家の亡霊に取り憑かれてしまった、耳なし芳一。日頃から芳一を大切に育てていた和尚さんは、なんとしてでも芳一を守ろうとするあまり、芳一の全身にお経をびっしり書きます。芳一はたちまち、非常におどろおどろしい、怖い姿に…

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耳なし芳一が黙って夜通し外出を続けていることを知り「何か深い訳があるに違いない」と、寺男に芳一の後をつけさせる、和尚さん。その結果、芳一は平家の亡霊に取り憑かれていることに気づきます。芳一にこれ以上の怖い想いをさせてはならないと、和尚さんは芳一から亡霊を追い払おうと決意します。

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和尚さんは耳なし芳一に、魔除けのまじないをすることに。裸になった芳一の全身にお経を書き連ね、その状態で座禅を組ませます。そして芳一に「誰が呼びに来ても口を聞いてはならん。身動きひとつするな」と告げます。普段から可愛がっていた芳一を、なんとも怖い姿に変貌させ、厳しい要求まで突きつける和尚さん。「芳一が亡霊に八つ裂きにでもされたら…」と本気で恐れていたのです。

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“耳なし芳一”に降りかかる怖い出来事B
亡霊に耳を引きちぎられてしまう、耳なし芳一

亡霊から身を守るため、全身お経だらけになる、耳なし芳一。しかし、唯一お経が書かれていなかった耳を亡霊に見破られ、しかもその耳を引きちぎられ…そんな、とてつもない怖い出来事まで降りかかります。

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耳なし芳一に琵琶語りを披露してもらおうと亡霊がやって来ますが、魔除けのお経が書かれていた芳一の姿は、亡霊の目には映りませんでした。しかし唯一、両耳の部分だけお経が書かれておらず、耳だけが亡霊に見えてしまいます。すると亡霊は「芳一を訪ねた証として、せめてこれだけでも持ち帰ろう」と、常識では考えられない、怖い言葉を吐きながら、芳一の耳をつかみます。

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そして耳は引きちぎられ、痛々しい姿となる、耳なし芳一。村の通夜から戻って来た和尚さんは、その姿を見て落胆。「なんと可哀想なことをしてしもうた…」と責任を感じた和尚さんは、良い医者を頼み、芳一を手厚く手当します。その甲斐あって芳一は、再び琵琶語りができるまでに回復。さらに、その怖い体験が世に広まり、“耳なし芳一”は琵琶法師として評判を集め、最後には誰もが知る有名人になるのです。

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全身をお経だらけにされたのも、耳を引きちぎられてしまったのも、芳一が和尚さん、そして亡霊にも、過剰に愛されていたからこその結果。怖い話でありながら、耳なし芳一はなぜ今も、誰もが知る昔ばなしとして語り継がれているのか。「ピーターグリーナウェイの枕草子」のように、耳なし芳一に影響を受けた洋画まで誕生するのか。その要因の中には、芳一の魅力的な人柄、も含まれているのかも知れません。

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