【特集】ペットと一緒に避難生活をするために〜防災について考えるVOL.2〜
ペットと一緒に避難生活をするために ペットと一緒に避難生活をするために
山村武彦氏

防災アドバイザー/防災システム研究所所長

山村武彦氏

新潟地震(1964年)でのボランティア活動を契機に防災アドバイザーを 志す。以来半世紀にわたり世界中の災害現地調査は250箇所以上。その知見を活かし、防災意識啓発に活躍中。主な著書は『スマート防災』『近助の精神』『目からウロコの防災新常識』『人は皆、「自分だけは死なない」と思っている』など多数。

「災害時の屋外での避難生活」について 防災・危機管理アドバイザーの山村武彦先生に、
災害時のペットとの生活について、
2016年4月に起きた熊本地震の実例を交えて
お話をうかがいます。

ココチモ:ペットを飼っているご家庭にとって、ペットは家族の一員です。
ですから、災害が起こったときもペットと一緒に暮らしたいというのが本音だと思うのですが、熊本地震の現場では、どうだったのでしょうか?


山村:熊本では、ペットが周りの人に迷惑をかけてしまうから避難所に入らない、という方や車中泊されている家族が結構おられました。ペットにはどうしても鳴き声や匂いの問題があり、飛び散った毛やフケなどが動物アレルギーに影響するため、ほとんどの指定避難所ではペットの入所が規制されています。

ココチモ:被災地ではペットの預り所ができるという話も聞くのですが。

山村:そういう施設ができるとしても、実際にペットを預かってもらえるのは災害から5日から10日後など、ある程度日数が過ぎてからのことが多いのです。ですから、避難所でペットを預かってもらうにしても、受け入れが始まるまでの何日間かは自分たちで面倒をみないといけない。そのために、ご自身が飼われているペットの特性に合わせた最低限必要なものを準備しておく必要があります。
たとえば犬でしたらペットフードや水、糞を始末する袋など、猫でしたらペットフードや水、簡易トイレやトイレ砂、簡易ケージといったものは備蓄しておきましょう。それに犬の場合、狂犬病の注射済票(狂犬病の予防注射を受けた証明書)が確認できないと預り所で受け入れてもらえないことがありますし、リードをつけないとダメということもあります。
猫も同様にワクチンの接種が必要だったりします。預り所の受け入れの基準はそれぞれの自治体によって違うので、事前に確認して、今のうちにこういった書類のコピーやリードもペットの備蓄に入れておくとよいでしょう。

ココチモ:リードは、室内犬だと持っていない飼い主さんも多いと思うのですが、備蓄には入れておいたほうがよいのでしょうか?

山村:普段は使わなくても、備えておいたほうがよいでしょう。災害のあとは、長期でなくても、自宅の片付けや買い出しなどのために一時的にペットを預かってもらいたい、ということがあります。
そういうときのために、ペットホテルや施設に預ける訓練や備えをしておくことが大切です。

ココチモ:それでもペットと一緒に避難したいという場合はやはり車を活用するというのもありなのでしょうか。

山村:今回の熊本地震でも、やはり、避難所に入らずにペットを連れて、公共駐車場などで車中泊をしていた人を多く見かけました。
預り所があっても、はやり、ペットと離れたくない方もいらっしゃると思います。この前、死んでしまいましたが、私も16歳まで生きたシーズー犬のために非常用防災セットを用意してありましたよ。
いろいろなことが、想定されますので、車があれば、車のトランクにも、家族用はもちろんのことペットの非常用セットを備蓄しておくというのは大事だなと思います。

ココチモ:家族はもちろんのこと、大切なペットに関しても、防災対策を普段から考えておく必要があるのですね。
先生、ありがとうございました。


犬と一緒に避難する際に
用意したいもの

・予備の首輪・リード
・水
・ドッグフード
・食器
・常備薬
・便処理袋
・ペットシーツ
・ウェットティッシュ
・狂犬病などの予防接種の証明書・コピー
・避難に必要なキャリーなど

猫と一緒に避難する際に
用意したいもの

・キャットフード
・水
・食器
・ポータブルケージ
・ポータブルトイレ
・ねこ砂
・ペットシーツ
・猫の健康手帳
・避難に必要なキャリーなど

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